コンサルタント職の現場

コンサルタント職に必要なコンピテンシー
解決意向 創造性 論理的思考 疑う力 ビジョン

アクセンチュア株式会社
朝来 洵一郎 さん(あさき じゅんいちろう)
(デジタルマーケティング コンサルタント)

――フランスの大学院・HEC Parisで経営学を学んだ後、“総合コンサルタントファーム”といわれるアクセンチュアに就職され、現在はデジタルマーケティングのコンサルタントとして活躍されているそうですね。

「そうですね。僕が大学院でマーケティングを勉強していた頃は、ちょうどIoTなど第4次産業革命が叫ばれ始めた時期で、今までにないサービスやモノが生まれていました。授業内容も従来のマーケティング論ではなく、世の中のトレンドを反映したデジタルマーケティング論が主流でした。当時は卒業後、デジタルテクノロジーを駆使して事業を起こそうと思っていたんです。でも在学中に分野を絞れなかったので、デジタル関連のコンサルタントとして企業に就職し、さまざまな業界の仕組みや、将来起業するために必要な基礎を培おうと考えました。就職するならグローバルネットワークをもち、自社で戦略の立案から実行まで携われる会社がいいなと考えた時、真っ先に行きついたのが、アクセンチュアでした。」

――デジタルマーケティングのコンサルタント職とはどんな仕事なのでしょうか?

「私なりの解釈ですが、コンサルティングとは、お客様が抱える問題点を、お客様と一緒に発見し、解決していく仕事だと思っています。近年、スマートフォンやタブレットを通じて企業の製品・サービスと顧客が触れ合う機会が増えています。そういった中で、企業からの一方的な宣伝ではなく、いかに消費者が自分事として捉えられるように、もの・サービスを企画・販売していくか、その過程にどう最先端のデジタルテクノロジーを織り交ぜていけるかを考えることがデジタルマーケティング領域のコンサルタントの役目だと感じています。」

――現在、担当している仕事内容を教えてください。

「グローバル展開する日本の製造業の会社で、デジタルマーケティングに関連する仕事に携わっています。具体的には、「今までは店舗に行かないと見ること・手に入れることが出来なかった商品を、オンライン上で事前にチェックしたり自分なりにカスタマイズできるようにする、そして実際に選んだアイテムを実店舗で試し、購入できるようにする」といった仕組みづくりを行っています。」

自分の意見を論理的に伝える“疑う力”
未来の目標を明確に持つ“ビジョン”が大切

――コンサルタント業に必要なコンピテンシーはどんなことだと思いますか?

「多角的に物事を考え、本質を捉えることができる“論理的思考”と、問題の解決法を提案でき、それを計画的に実行することができる“解決意向”の2つは、コンサルタントには欠かせない資質だと思います。さらに、 “疑う力”を持って人の意見に惑わされず、“ビジョン”を持って未来を創造できることが、ひとつ上のコンサルタントになる秘訣だと思います。」

――それはなぜですか?

「一つ一つの事象を疑い、他に問題がないか検証する、そしてお客様がわからなかった問題点をも見つけだして解決することに、コンサルタントの意義があると考えています。その際、変わりゆく世の中を見据えながら、解決策に“独創性”を加えることが出来れば、鬼に金棒だと思います。僕自身は最近サービスデザインに興味を持っています。顧客体験を基に、右脳を使って新しい事業を立案する方法論ですが、今後ますます主流になっていくはずなので、少しずつ自分の仕事の中に取り込んでいけたらと思っています。」

自分なりの疑問をもち、答えを見つけること
人間力を高めるためには哲学書が役立つ

――コンサルタントとしてのコンピテンシーを培うために、学生時代にしておくといいことはなんでしょうか?

「会話の間に隠されている真実を見つけるよう心掛けると、よいかもしれません。僕が学生時代にやっていたのは、学校で授業を聞いて、『なぜ教授はAを説明した後にBを例に出したのか?』『AとBにはどんな繋がりがあるのか?』などと、一つ一つの意味を検証し、そこから生じた疑問を探求し自分なりの答えを導き出してみることでした。そうやって導いた答えが、物事の本質だったりするものです。コンサルタントとしてお客様自身が捉えきれていない問題点を探るときの思考と似ているように思います。」

――最後に、コンサルタントを目指す就活生へメッセージをお願いいたします。

「結局はどれだけ人間として深みがあるかが大事です。人間力を高めるために学生時代にしてほしいことは、哲学書を読むこと。経済学、物理学問わず、多くの学問は哲学から発生しています。物事への深い視座を得るヒントになるはずです。あとは、自分がどんな人間かを知ること。そのために、自分が居心地のよくない場所に敢えて飛び込んでみる。例えば、サッカーしかしない人が将棋をしてみると面白いかもしれません。そうすることで、自分の長短所が見えてきて、やりたいことが明確になっていく。おのずと自分の進む道が開けると思います。」