外務省→外資系コンサルから有機野菜等を宅配するネットスーパー「Oisix」(オイシックス)に転職した異色の経歴をもつ高橋大就インタビュー(第2回)

その2 最初の留学で英語できず挫折 リーダーシップは重要!

神宮司:学生時代に勉強以外でしていたことは?

高橋:ほぼないです。高校、大学とエスカレーター式だったので、無意味に過ごしてしまいました。「高校生活、大学1、2年と重要な時期を無駄にした」という危機意識が、2年の最後に生まれました。
ここで変わらないと人生だめになると思い、世界には元々興味があったこともあり留学を決意、3年からアメリカのジョージタウン州に留学しました。この留学が、人生の転機でした。高校の時の北朝鮮のミサイル発射で政治への興味を強めてはいましたが、特に何になりたいとかは考えていませんでした。しかし留学をきっかけに、「外交官になりたい」と決めたのです。

神宮司:留学で一番印象的だったことは何ですか。

高橋:そもそも飛行機に乗り慣れていませんでした。初めて乗ったのは大学2年の夏です。もちろん海外には全く慣れておらず、住むのは初めて。英語も出来ず、授業に出て参加していくこと、友人を作ることは本当に大変でした。英語ができないことによるコンプレックスも強かったです。コミュニティの中でフォロワーとして生きていくことが辛く、悔しかった。人種的なコンプレックスもあり、1年間本当に辛い日々でした。なんとしてもリーダーシップをとらなければいけない、という強い思いが生まれたきっかけです。

アメリカに行っているのだからアメリカ人と勉強し、遊び、その中でリーダーシップを取りたいという思いがありましたが、全くできませんでした。日本人だけで固まることはイヤだと思いつつも、それしかできない。その中でも毎回の授業で1回は発言することだけは自分に課し、分からないなりに質問をすることにしました。授業を録音し、聞き直してノートを取っていました。

神宮司:日本ではリーダーシップをとるタイプだったのですか。

高橋:いや、どちらかというと教室の後ろでガヤガヤしているタイプでした。リーダーシップを取りたいと思い、自分の姿を嫌だと思う一方で、特に変わるためのことはしていませんでした。留学したのは、自由に主張する米国の文化にあこがれ、その文化を体感したいという思いからです。でも、帰国後は世界でリーダーシップをとるためにはどうしなければいけないか、真剣に考えるようになりました。

帰国後は外交官試験のため、自分で自分を監禁する生活。留学と監禁生活の2年は人生の中でも辛い時期でしたが、今に繋がっていると思います。

外務省に入り、大学院に2度目の留学をしました。「あんな思いは嫌だ」と、最初からとばしていきました。英語も出来るようになったし、どうやって目立つかを考え、真っ先に飲み会を開くことにかけていましたね。社会人なので年齢も上だったこともあり、その二年間は最高に楽しかったです。

神宮司:リーダーシップをとるために、心掛けていることはありますか。

高橋:同質性の高い集団だけでなく、異質性の高いコミュニティでリーダーシップをとるようにしています。少なくとも人が2人以上集まったら、国、立場関係なく自分が何とかしよう、リーダーシップをとると決めています。そう決めることで、うまくいかないときに人のせいにすることができなくなったと思います。

神宮司:リーダーシップの重要性に気付いたきっかけは、やはり一回目の留学なのでしょうか。
高橋:はい。周りの空気を読む日本の社会にずっといたら、リーダーシップの重要性に気付かなかったと思います。

神宮司:リーダーシップを身につけるためには、学生時代に何をしたらいいと思いますか?

高橋:留学が手っ取り早いでしょう。必然的に異質な集団の中に放り込まれることになり、個で戦う状況に置かれる経験が一番役に立つように思います。

神宮司:高橋さんにとって、リーダーシップとはどのような能力ですか。

高橋:リーダーシップというと強いビジョンを示して皆を引っ張っていくように思えるが、そういう訳でもないです。皆の意見を聞きながら進める人やミッションでぐいぐい引っ張る人、様々なスタイルがあっていい。ただ、共通して必要なことは、集団の中で起こっていることをかならず自分事として捉えることではないでしょうか。

日本の経済だめだよね、政府だめだよね、などと他責にするのではなく、自分はどう解決するか、自分事として捉えていないと始まらないと思います。「常に当事者たれ」ということが最初に来る。当事者になると結果に責任を持つことになり、どういう方法が一番良いかを考えるようになります。
私は若い人に希望を持っています。「MAKERS UNIVERSITY」(次世代のイノベーターを育てる取り組み。多くの企業幹部や起業家が協力している)にかかわっていますが、本当に頼もしい学生が多い。どうやったらそんな人間になれるかは正直分かりませんが、きっと大切なことは、色々な体験をすることなんだと思います。

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