GROWマガジン学生特派員が聞く! 日本ガイシ 第1回

世界を変える可能性のある製品づくり

ものづくりや技術の観点で社会を見てほしい

学生団体「アイセック・ジャパン」のメンバーが特派員となり、第一線で活躍する方に会いに行く企画。
4回目は、日本ガイシの人事部で採用を担当する小川保典さんを訪ねます。日本ガイシは、セラミックスを軸とするメーカーで、海外売上比率が6割を超え、多くの海外生産拠点をもつグローバル企業です。「ものづくり」にかける思いや、海外で活躍できる人材育成について、お話を伺いました。

 

<プロフィール>

小川保典(おがわ・やすのり)さん

日本ガイシ人事部採用グループマネージャー

2001年に入社後、海外営業担当、電力関連事業の企画担当を務め、現在は新卒学生の採用などを担当している。

 

参考ウェブサイト

日本ガイシ採用情報 http://www.ngk.co.jp/recruit/

 

<聞き手>

グーマガ学生特派員

笠田小夏(かさだ・こなつ)

(名古屋大学4年/アイセック・ジャパン)

笠田:小川さんは、なぜ、日本ガイシに入社しようと思ったのですか?

小川:きっかけになったのは、学生時代、当時の日本ガイシの柴田昌治社長(現・相談役)の講演を大学で聞いたことですね。そのときの話が興味深かったんです。また、「日本ガイシは、これから成長する会社だな」と感じました。

学生時代は、教師になることも考えていました。でも、いったん企業で経験を積んでからでもいいかなと思い、就職活動をしました。そして、うちの会社に入ってみたら仕事が面白くなり、今に至っています。

笠田:「面白い」といえば、日本ガイシの採用ウェブサイトにも、「皆さんが思っている以上に、面白い仕事が用意できると考えています」というメッセージがありましたね。

小川:そうですね、どの会社にも、まだ花も咲かず、もしかすると、タネにすらなっていないような仕事が眠っています。

開発中のものは、まだ外部に公表できず、学生の皆さんに知っていただくことが難しい。しかし、そうした仕事が、いずれ社会をガラッと変えるんです。

だからこそ、就活生のみなさんには、興味ある企業の社員に実際に会って、その会社の奥にあるものを引き出してみてほしいです。

笠田:小川さんのこれまでのご経験で、そのような仕事はありますか?

小川:「NAS電池」ですね。セラミックスの技術を生かした大型の蓄電池で、日本ガイシが世界で初めて実用化しました。電力をいったんためて、必要なときに放電できるので、風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーの安定供給につながり、世界を変える可能性がある製品です。

NAS電池について、私が直接担当した仕事は、社内の調整です。学生の皆さんから見ると、一見つまらないかもしれないですが、実はとても重要な仕事でした。

組織の中で担う仕事は、すぐに利益につながるものばかりではなく、コツコツ積みあげていく地道なものもあります。弊社に限らず、そうした仕事は人によって合う、合わないがあると思います。だからこそ、気になる会社はぜひ、実際に働く社員に話を聞いてみてほしいです。

笠田:仕事の魅力を、学生には、どのように伝えていらっしゃいますか?

小川:会社説明会では、全体像や概要を紹介することが中心で、なかなか一つ一つの仕事の詳細を話す時間はとりにくい。ただ、「メーカーは良いですよ」ということだけは強調しています。やはり日本は、技術力でもっているところがあります。我が国を背負う人には、ものづくりや技術に重きを置いて社会を見てほしい、と思っています。

笠田:小川さんは、入社後すぐに海外営業を担当されたんですね。どのような仕事だったのでしょうか?もともと海外とかかわる仕事を希望していたのですか?

 小川:実は、それほど希望はしていませんでした。元々は、国内の営業職希望です。でも、同じ営業だからいいかなと思い、取り組みました(笑)。

仕事内容は、海外の電力会社の代理店などから、電力関連の装置を受注し、社内の生産管理もすることです。海外のお客様が日本に来られる際のアテンドもしましたね。

海外の電力会社が何かを発注するときは、国際入札になります。つまり、各国のライバル会社と競うので、日本ガイシの製品を選んでもらうために、強みをいかに伝えられるかが重要です。日本と海外では、製品に対する価値観が違うので、苦労することもありました。

笠田:具体的には、どのような点でしょうか。

小川:私たちの製品は、とにかく品質が良いところが強みです。ただその分、値段は張ります。一方、国や会社によっては、コスト第一で、高価格というだけで断られることがあります。その場合は、まず品質の重要性を伝えるべく努力します。さらに、トラブルへの対応力や、納期を守ることなど、当たり前だけど大切なことができるとアピールします。

海外の競合他社とのコスト競争は、やはり大きな課題です。特にコストとして大きいのが、人件費ですね。日本ガイシは既に海外工場での生産も多く行っていますが、今後もその取り組みは必要だと感じます。

海外生産では、製造のノウハウをいかに伝えるかが大切です。弊社の製品には、長年培ってきた独自のノウハウがつまっています。それを、気候や文化が異なる国で共有していくのは簡単ではありません。実際に、過去に進出したものの、撤退した国もあります。ただ、そのように誰でも真似できない技術こそが、私たちの強みだともいえます。