GROWマガジン学生特派員が聞く! 日本ガイシ 第2回

若いうちに海外に出して鍛える会社
学生のうちに多様な価値観に触れて欲しい

笠田:日本ガイシでは、入社10年未満の若手社員が多く海外赴任していると伺いました。若手を積極的に送り出すのは理由がありますか?

小川:早いうちに、海外経験を積んでほしいと思っているからです。日本ガイシでは入社後3~5年目に海外赴任ケースするケースが多いです。入社後、配属して1週間で海外出張に行かせることもあります。

外国に赴任すれば、若手であってもある程度マネジメントをする必要があります。つまり、日本にいるときより自分で決める裁量が大きい。そうした責任感の重い仕事に挑戦して、早い段階でひとつ壁を越えて欲しいんです。若いうちにメンタルを強くすることは大事です。

笠田:若いうちに海外経験を積んだ社員は、その後どのようなキャリアを歩まれますか?

小川:人によりますが、のちにもう一度海外へ赴任する社員が多いですね。若いときの経験を活かし、さらに上の立場となって仕事をします。実は、必ずといっていいほど、社員本人がもう一度行きたがるんですよ。やはり、見知らぬ土地で見聞が広がりますし、裁量が大きいぶんやりがいも大きいのだと思います。

笠田:今の日本ガイシは、北米やヨーロッパ方面への進出が多いんですね。

小川:そうですね、自動車の排気ガス関連の工場が多いからです。北米やヨーロッパは、日本以上に排気ガス規制が厳しいところがあります。私たちは、セラミックスの技術を生かし、その厳しい規制をクリアできる製品を作っています。

一方、これから自動車の需要が伸びるのは、中国や東南アジアです。自動車が増え、規制も厳しくなってくるはずで、今後、有望な市場だと思います。現在は、タイで新しい工場の建設が進んでいます。

笠田:日本ガイシを目指す就活生は、やはり英語力が必要なのでしょうか?

小川:そんなことは全くありません。入社後、1年間の英語研修を頑張ってもらいますので(笑)。例えば、新入社員全員を対象に、英語しか使わない合宿を行います。最初から全員に同じレベルを求めるのではなく、レベルに合わせてクラス分けをしています。

笠田:学生の立場からは、やはり気になるのですが、御社はどのような学生を求めていますか?

小川:多様な価値観に触れた経験を持ち、人の意見を聞きつつ、自分の考えも主張できる方です。

専門的な知識は、入社後に勉強すれば大丈夫です。新卒の学生には、知識よりも、多種多様な経験を求めています。サークルやアルバイトなど、身近でもいいから色々な経験をして、世の中にはさまざまな価値観があることを知っていてほしいです。

また入社後にも、新しいことを身につける意欲を持っていてほしい。特に社外に人脈を築くと学ぶことが多い。例えば、地元のお祭りなども面白いですね。子供からお年寄りまで、様々な世代の人がかかわっていますから。そうした方々と物事をうまく進める能力や、その多様性を認める価値観があるかどうか。私自身も、他の会社の人事担当者や大学の先生など、社外の方とのつながりを大切にしています。

多様性という観点から、よく学生から「留学は絶対必要ですか?」という質問をいただきます。もちろんお金と時間があるならばオススメします。ただ留学しなくても、地元のお祭りのような身近なところでも、経験はつめると思います。

笠田:小川さんの今の仕事にかける思いをお聞かせください。

小川:1人の社会人として、「働くことは楽しい」というメッセージを学生の皆さんに伝えたいですね。もっとも、若者に「熱くなれ!」と言う前に、まず我々が熱くならないと、と思っています。

今後はライフワークとして、大学に入る前の高校生にもアプローチしたい。社会や日本という国を意識して、前向きに進路を選んで欲しいからです。もちろん、メーカーで活躍する理系人材を増やしたいという思いもあります。

笠田:日本ガイシの社風や、今後についてお聞かせください。

小川:日本ガイシは、大きくわけると、がいしやNAS電池の電力関連事業、自動車関連などのセラミックス事業、電子部品などのエレクトロニクス関連事業があります。

事業ごとに特徴があり、例えば国内のがいしについては、弊社は90%のシェアを持っています。一方、これからシェアをとっていく分野もあるので、それぞれの部門で、お客様との仕事のサイクルや文化が異なります。事業ごとに特化したプロフェッショナルが必要な一方、会社全体でみると、事業部間の人事交流なども進めたいと思います。

将来については、やはり環境問題がキーワードかと思います。新しい電池や電子部品の材料が、省エネにつながっていきます。

また、IoT(モノのインターネット)など、これまでなじみがなかった領域にも進出したいです。セラミックスにはいろんな可能性が秘められています。

日本ガイシには、新規事業の製品売上を、2017年に3割以上にする目標があります。2016年度3月期の決算は、ありがたいことに売上高、利益ともに過去最高を更新しましたので、研究開発費にも力を入れられます。これまでの取り組みを生かして、社会の新たなニーズにこたえていきたいですね。

(この稿、了)