みなさんは、中国の大学生がどのような就活をするかご存知でしょうか?

中国の大学生は、みなさんのような新卒一括採用といった就活狂想曲に巻き込まれることなく、アメリカの大学生とほぼ同じでインターンシップが中心。中国は、アメリカなどと同様、新卒一括就職という制度はありません。

インターンシップに関しても、日本で最近始まったインターンシップと違い、平均で3~6カ月と長いものが一般的。インターンシップの報酬は一日働いても2時間の家庭教師をするほどしかもらえないので、将来いい就職をするための箔付けとしての役割を負います。

そして、就職を何で決めるかというと、ほぼすべての学生が『お金』と断言します。自分の価値は給与の高さであると考えているためです。

実際、中国では新卒給与が学生ごとに全く異なります。そのために人気業界は、最初からの高給が見込める、外資系の投資銀行、コンサルタント、そして中国国内の金融。

これは、私が3年前に中国のトップ大学の学生たちから聞いた話とも異なり驚きました。3年前は、多くの学生が日本を含めた製造業の現地幹部を目指していたのです。中国が製造業の受け皿から、世界のけん引役へと完全にかじを切ったと強く感じました。

今回彼らに日本の企業はどうかと聞いたところ、お金が高くて、将来他のより高い給与を出す会社に移れるのであれば行ってもいいとのこと。

ただ、彼らが知っている日本企業のイメージは、平均的に給与が低いうえ、将来のキャリアを構築することが難しいということ。日本企業は中国の上位学生の選択肢としてほとんど考えられていないということでした。3年前と全くことなります。これからの日本企業の中国市場でのあり方を考えると心配です。

また、彼(女)らのほとんどが、まずもって生涯雇用など考えていません。大卒のほぼ全員が将来の転職を前提とし、自らの価値をより高めてくれる場所、そして多くの給与を与えてくれるところを目指し、転職を続けるのです。

中国での経済の減速が言われていますが、中国のトップ大学の優秀な学生には、世界中の企業からラブコールがすさまじく、完全な売り手市場とのことでした。

みなさんは、グローバルという市場で、将来的に彼らと接していくことになります。彼(女)らの就活に対する考え方、中国が台頭する中での日本の将来像など、ぜひ考えてみてください。

福原正大(ふくはら・まさひろ):IGS社長
慶應義塾大学、INSEAD(MBA)、グランゼコールHEC(with Honors)、筑波大学博士(経営学)。バークレイズ・グローバル・インベスターズ(Managing Director、取締役)を経て、2010年、グローバルリーダー育成の教育ベンチャーInstitution for a Global Societyを設立。