vol.4 自分のエピソードは「踏切板理論」で語ろう

<なぜ、日本の就活は疲れるのか~「面接」のからくりを知ろう~>

面接でよく聞かれる質問といえば、「学生時代力をいれたこと」でしょう。質問の仕方は異なれど、面接担当者側がぜひ聞きたいことがこれです。

人の本性は、行動にしか表れません。「私は責任感があり、メンバーをまとめる力があります云々」といくら言葉を連ねても証拠がなければ信じようがありません。実際に、責任感をもってメンバーをまとめるような行動をしたという証拠があってはじめて信じられるのです。そういう行動をしたかどうか確かめるために、冒頭の質問が繰り出されるわけです。

では、この「力を入れたこと」をどう語ればいいか。基本的なコツは「踏切板理論」です(お笑い芸人「パックンマックン」のパックンさんのアイデアをいただいています)。これは、エピソードを語る際には

①あるミッションを達成するうえでの障害(踏切板)を
②自分なりに攻略法を考えて
③飛び越えた!(もしくは、うまくいかなかった!)

という3ステップを語る、というものです。経験者採用が一般的な海外での採用面接ではこの理論における③、すなわち結果の部分を非常に重視するのですが、新卒採用が一般的な日本ではその人のポテンシャルも含めて評価するので、②の部分も非常に重要になってくるのです。

たとえば、学生時代に力を入れたことはアルバイトだったとします。でも、ただ「スーパーのレジ打ちのアルバイトとしてめざましく働いた」と言ってもなかなか面接担当者には響きません。

そこで自分で考えてみて下さい。アルバイトの経験のうち、何が一番の「障害」だったのでしょうか。これは様々なパターンがあると思います。仕事を覚えるのが大変だったということでもいいし、すごく大量の客をさばいたという経験でもいい。気むずかしい先輩との関係に悩んだ、ということでもいいし、面倒な客への対応ということでもいい。1つでは弱いと思えば、いくつかのシチュエーションを組み合わせてもいいかもしれません。

そして、その困難をどう乗り切ったか、それに対して自分は何をどう工夫したのかを考えてみましょう。「たいした工夫はしていない!」という人もいるかもしれませんが、困難を乗り切るに際してただ流れに身をまかせるような人はいないはずです。自分が何をしたのか具体的に詳細に思い出し、その中から「自分で考えてがんばってみた」要素を抜き出していきましょう。「釣り銭を事前に多めに準備した」というのでもいいし、先輩との会話機会を増やしたとかそういった小さなことでもいいのです。

その行動の結果、どうなったかという要素も必要です。「困難を乗り越えた!」という結論ならばきれいですが、「いろいろがんばったけど、乗り越えられなかった」という結論でも構わないと思います。大切なのは、自分が何を「困難」と感じ、それに対して具体的にどう考え、行動したか、そこの部分です。

逆に言えば、この3要素にあてはまらないエピソード部分は基本的に語らなくても構いません。エピソードを語る際はよく「具体的に」と言われますが、一から十まで全部具体的に語っていると時間がいくらあっても足りませんし、聞いている方も退屈でしょうがありません。具体的に語らなければいけないのは、上記の「踏切板」部分のみ。そのほかの要素は思い切って簡略化して、話にめりはりをつけましょう。たとえばレジ打ちのアルバイトを頑張ったのだとしたら、

「私は自宅から歩いて5分くらいのところにある食料品の品揃え豊富なスーパーで大学1年生から夕方の5~10時まで週4日間レジ打ちのアルバイトをしていまして、3年生の時には時間帯のサブリーダーにまでなりました。手際よく商品をレジに通すこと、できるだけ笑顔で接客すること、釣り銭を両手で渡すことなどを心がけてきましたが、一番頑張ったのはお客様の商品をどのようにレジ袋に入れるかの研究です~」

こうダラダラ語っても相手には伝わりません。レジ袋の詰め方研究に一番取り組んだのだとしたら、ほかの要素はいったん切り捨てましょう。

「スーパーでのレジ打ちバイトを頑張りました。特に頑張ったのは、商品をどううまくレジ袋に詰めるかの研究です。短時間で、しかも商品に傷をつけないように詰めるにはどうしたらいいか、毎日研究を重ねました~」

時間が余ったら、ほかの要素をあとから付け足していけばよいのです。自分のエピソードをどう話せば「踏み台」の形になるか、しっかり考えることが面接突破の秘訣です。