会社は学生のどこを一番見つめているか?

みなさん、SF映画や漫画で出てくる「超能力」といえば、どんな力がほしいですか。
透視力? 瞬間移動? 空を飛ぶ力?
同じことをもし会社に聞いたら、多くの会社が、「予知能力」と答えるのではないでしょうか。会社がいつも血眼で、汗をタラタラ流しながら必死でやっているのは、「未来を予想すること」なのです。

「予算」のない会社も、「経営戦略」のない会社もありません。
次の3カ月、何をどう売っていくのか、コストはどれくらい圧縮可能か……、といった近い未来から、5年後、10年後に自社はどうなっていくのか。ならば、どんな経営戦略を立てて、何に投資していくかといった長期的なビジョンまで、日々、真剣に未来に目を凝らしています。

だれだって、先のことはわかりませんよね。会社だって同じ。不確実なものだからこそ、あらゆる角度から手がかりを求め、起こりうるこ予想し、計画を立てていくのです。経営の最善の形は、利益を生み出し続け、成長し続け、社会の豊かさ、多くの人の幸せに貢献していくことだからです。

いよいよ3月1日。経団連の「新卒採用選考の指針」では、企業の広報活動開始日です。では、会社は、採用しようとする学生のどこを見ようとしているのでしょうか。
それはやはり、その学生の「未来像」「将来の姿」です。
この先長らく社員として働いてくれ、ともに未来をつくっていってくれる人材を求める採用は、会社にとって最大の将来戦略。門をたたいてやってきてくれた学生の「その後」をじっと見つめています。
この人は、現場に出たらどんな仕事をするだろう、部下ができたらどうだろうか。将来この会社を引っ張っていってくれる人物に育つだろうか――。

見たいのは「伸びしろ」。いまどれだけ完成されているか、ということはあまり悩みすぎなくてもかまいません。経験者採用と違い、新卒の採用は即戦力を求めているわけではなく、これから大事に育てていこうという人材を採用しようとしているのです。

では、未来を感じさせる、伸びしろを予感させる人物になるにはどうしたらいいでしょう。
「予知能力」を身につけることです。
そんなの無理? いいえ、未来は今現在と地続きになっているもの。あらゆるところに未来へのヒントが隠されているはず。世の中を変えていくものが小さく産声を上げているかも。
新聞を読み、業界誌にも目を通し、いま何が起こっているのか、これからどうなるのか、目を凝らしてみましょう。大学の研究からも未来は見えてくるかもしれません。

そして、自分はどんな潜在能力があって、どんな力を生かせそうなのか。5年後、10年後にはどうなっていたいのか。「未来の自分」と日々しっかり話をしましょう。

世の中の変化を感じる力と、自分の未来をイメージする力の掛け算が、
きっとあなたを「未来を感じさせてくれる、わが社期待の逸材」に変えていきます。

アエラムック教育編集部部長
友澤和子
ともさわ・かずこ/「アエラ大学ムック」「AERAイングリッシュ」などの編集長。新聞・雑誌記者時代、教育問題を多く取材。「朝日新書」創刊に携わり、『一日一生』などベストセラーを多く手掛ける。「AERA」副編集長を経て現職。高校生、中学生の2人の母でもある。