アフリカ大陸=今世界で最もホットな場所:エチオピアからの報告

連載:世界は広く、おもしろい!

(写真はアディス・アババで走り出した電車。速いスピードで街が変貌を飛べている。©Kiyori Ueno)

 読者の皆さんは“アフリカ”、というとどのようなイメージをお持ちだろうか。おそらく、まず思い浮かべるのは飢餓、疫病、紛争、犯罪、といった言葉ではないだろうか。
 私は現在、昨年夏まで3年間国連の仕事で生活していたエチオピアに、今回はジャーナリストとして取材に来ている。アフリカは日本人にとり遠い大陸。日本ではほとんど知られていない“アフリカの今”を伝えたいと思ったためだ。(アフリカが知られてない理由の1つには、この土地にいる日本人ジャーナリストの数が少ないということがあげられる。従って、アフリカに関するニュースはBBCやアルジャジーラに比べるとはるかに少ない。)
 しかし、過去10年以上にわたり、アフリカは実に世界でも最も大きな経済成長を遂げており、今や“人類に残された最後の成長大陸”と言われ、世界的には大きな注目が集っている。中国を含め、BRICSと呼ばれる新興国の経済が軒並み減速あるいはマイナス成長になるなか、アフリカ大陸は輝いているように見える。
 そのアフリカ諸国の中でもエチオピアは“優等生”だ。人口約9700万人とアフリカではナイジェリアに次いで人口が大きいエチオピアは過去10年、ほぼ2桁代の経済成長を見せている。1980年代にこの国を襲い、100万人とも言われる人々が犠牲になった大飢饉からわずか30年あまりでエチオピアは大変貌を遂げているのだ。
 私が現在ベースとしているエチオピアの首都アディス・アババはアフリカ連合(African Union)の首都でもあり、街を歩くとあちこちに建設したばかり、あるいは建設中の高層ビルが立ち並んでいるのが目に入る。建設ラッシュが続いているのだ。また、アディスではサブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカ)では南アフリカを除いて初めてといわれる、トラム(市内を走る路面電車)が昨年9月に走行し始めた。エチオピア人にとって人生で初めて見る、乗る、電車である。こう考えただけでも、私までワクワクする。
 そして、人口減、高齢化が社会問題になっている日本とは全く逆で、約3%のペースで人口が増えているエチオピアでは実に若者だらけで(もちろん、若者の失業率の高さは問題になっているが)、経済ブームと相まって、街には活気が溢れている。テレビや新聞を賑わすニュースも巨大ダム、ハイウェイなど、次々と出現する大きな国家プロジェクトである。国全体が沸いているのを肌で感じることができる。
 これにともない、人々の生活も速いペースで変化している。私がよく使っているタクシー運転手のジョニーは、何と私が日本にいた時に、WhatsAppでメッセージをしてきた。これには正直驚いた。そして、つい1年前までは古い青色のカローラをタクシー車として使っていたのに、今回私を迎えに来た時には中国の自動車メーカーLifanの真っ赤にぴかぴか光る小型車で私を迎えにきた。 
 ジョニーは私がいた頃にはNokiaの簡単な携帯電話で顧客や友人とショート・メッセージでやり取りをしていた。つまり、ネット接続はなかった。しかし今では中古で買ったスマホを持ち、3Gを使ってWhatsAppでやり取りをするようになったのだ。「スマホの方がよほど便利」と笑う。アディスではある一定層以上の人々は既にスマホを使い、フェースブックでやり取りしている。そしてネットのスピードもどんどん速くなっている。
 大変貌を遂げるアフリカ大陸。この注目の大陸からしばらくの間報告したい。

上野きより ジャーナリスト、フォトグラファー、元国連機関職員
信濃毎日新聞社、ブルームバーグ・ニュース東京支局などで記者として働いた後、国連世界食糧計画(WFP)のローマ本部を経て、食糧支援の現場であるエチオピア、ネパールで働く。2016年から独立。米国コロンビア大学国際関係・公共政策大学院修士課程修了。慶應義塾大学文学部卒業。東京出身。